職業訓練校卒業1年後に、Webデザイナーになった話

昼休憩に、川沿いを散歩した時の風景 キャリア・転職

2023年5月に3ヶ月間の訓練を終えた人生迷い人のわたし。

以降1年間、2つの職場へ派遣され、それぞれでWebディレクターアシスタントとして働いていた。

関連ページ:https://okawarikudasai.com/hellotraining_webdesigner5/

サイト制作の知識は生かしつつも、実際に手を動かすことはなく、ページライティングをしたり、サイトチェックをしたり、時にはコピーを取ったり、営業資料作成のための情報収集などしていた。

不満はないけど、心底充実感を得ているわけでもなく、以前の職種に戻ろうかと思うこともしばしば。

実際転職活動をし、最終面接までいった企業もあったが、Webデザイナーになれないことへの「逃げ」「諦め」が滲み出ていたのだろう。結果は惨憺たる内容で、気持ちがとんでもなく下がった。

それから半年後、わたしはWebデザイナーの見習いとして日々コーディングをする生活をしている。

こんな日常を過ごしていることに、自分自身が一番驚いている。

ある日、唯一のWebデザイナーの知り合いから連絡が

「籍が空くけど、やらない?」

その先輩はかつての職場の先輩で、私と同じように30代半ばから未経験でWebデザイナーのキャリアを切り拓いていた先輩だった。

職業訓練校を修了し就活を始めた頃、10年ぶりに連絡を取ったことがきっかけだった。

先輩の勤める職場は、ほとんどのWebデザイナーが、いや9割くらいが未経験スタートだという。しかも、入社したら技術もセンスもある方が手取り足取り教えてくれるらしい。

こんな環境を自力で見つけるのは、とても難易度が高い。

それなのに。「やろうよ」という誘いに、私は即答できないでいた。

葛藤?プライド?不安?

返事をするまでの2週間、あれこれ葛藤した。

キャリア相談をしてみたり、以前の職種のカジュアル面談を受けてみたり。タロット占いにまでいった。同じタイミングで知り合いから仕事のお誘いを受けたりもした。Webデザイナーの他に心がなびくような仕事がないか、念押しで確かめるようだった。

どんな葛藤があったかというと、

・給料が減る、アルバイトになる不安

・Webデザイナーに向かなかったらどうしようという不安

だった。当時はもっと複雑に悩んでいた気がするけど、今思えば大きくはこの2つだった。

「安定した生活をガラッと変えるリスクを取って、もしWebデザイナーに向かなかったらどうしよう」が胸にわだかまっていたのだった。

SNSなどで見かけるWebデザイナーの印象は、自宅や好きな場所で、自分の好きなタイミングで仕事ができるというもの。だから一般的に言われるWebデザイナーへのキャリアチェンジのモチベーションは、時間や場所に縛られてしまいがちな職種の方々の悩みに対するものであって、すでに成長産業でリモートワークなど不自由なく働いていた自分には無駄なことなのではないかと思った。直前の転職活動で失敗続きだったのもあり、Webデザイナーになることは、余計なこと、横道に外れたことなのではないかと怖くなっていた。

ただ、今振り返るとなぜあんなに「やらない理由」をあげていたのだろうか、と不思議に思う。

あれこれ悩んでいたことこそ、無駄だった。そう思える結果に着地している。

葛藤の解消について

給料が減ってしまう不安

これについては、一人暮らしをやめる決意をした。

通勤時間が片道1時間半になってしまうのだが、生活費を圧縮したり、貯金が減っていくのを目の当たりにする方が、気持ちがすり減ってしまうと思い決断。14年ぶりの実家暮らし生活だが、なんとかなっている。

Webデザイナーに向かなかったらどうしようという不安

この不安に対しては、「正直やってみないとわからないから、やってみたら」というのが、身も蓋もない率直な意見である。それとは別に、私にとっては友人へある疑問を投げかけたのが、後押しになったと思う。

Webデザインを勉強した後、結局もとの仕事を続けている人が2人いる。かつて同じ仕事をしていたことがある親しい彼女たちに「なぜ、Webデザインを始めなかったのか」と聞いてみた。

そうしたら、「習熟までに時間がかかる職種。また何年も時間かけるより、今すでにあるスキルや能力を発揮したい」だった。

もっと大きな不安や壁があるものだと思っていたが、その想像とは違う返答だった。

そして私は思い出したのだ。私の特技は毎日コツコツ努力するのが苦にならないこと。そして「できるかもしれない」。そんな風に思った。

また不安の払拭については、前職の有給を使いながら入社する1ヶ月半前から合計6日間、先に研修を始めさせてもらい、徐々にコーディングを思い出す・慣れることができた。「大丈夫だろうか?」という精神面での不安を解消できたのも幸運だった。

最初の1ヶ月間が終わった

あっという間の初月。今のところ、不安も不満もなく、普通に楽しく過ごしている。

聞いたことをメモにとり、家に帰っては別のノートにまとめ直し、38歳の記憶を舐めちゃいかんと、老いをカバーするように復習もしている。(たまに週明けに先週できたいたことがすっぽり頭から無くなっていて、悔しい思いをすることもあるけれど)

また、やってみて初めて理解できたことがある。それは、実務未経験者は現場では太刀打ちできないということ。

どのWebデザイナーの求人も、『実務経験』が条件になっているが、誰だって最初は実務経験0!どうやって始めるんだ!と思っていた。しかし今は、制作を経る中でしか得られないものが確実にあり、ちょっとの経験だけでも雲泥の差があると考えを改めているところだ。1ヶ月やっただけのペラペラの新人でもそう思うのだから、相当なものだろう。ベロベロに甘い考えで、やらない理由を挙げ連ねていたちょっと前の自分が恥ずかしい。

でも一つ言えることは、この世のどこかには、実務未経験でも受け入れてくれる場所が確実にある。今の職場にも、デザイナーになって3年目の人、まもなく2年目に突入しようとしている人がいる。チャレンジして、実績を確実に積み上げている人たちがいる。そして私もその扉の前に偶然にも立つことができている。
もう一度言うけれど、この世のどこかには、実務未経験でも受け入れてくれる場所が必ずある。

できるようになったこと、よく注意されること

研修期間でできるようになったことは、

・Sassが使えるようになってきた

・レスポンシブデザインのためのメディアクエリや擬似要素の使用など、これまでめんどくせぇと思ってたことがそう感じなくなってきた

ということ。

よく注意を受けるのは、

・スマホサイズの時のpaddingは要らない(急に超実務)

※今はTOPページのPC版のデザインだけ決まっており、タブレットやスマホサイズのデザインおよび、下層ページはざっくり参考サイトを倣いながら作っている

・Sassの書き方(&を使う時は、大元の要素から離れた位置に書かない)

・横幅や縦幅は固定値を設定しない

・見出し・テキスト間の余白は、要素の関連や関係などのまとまり意識して設定する

ということ。

これを数ヶ月後に見返した時に、同じこと言われていないようにしたい。あとCSS設計をちゃんと身につけていきたい。

「デキナイ」と思っていたことは、不向きではなく、何度も繰り返し慣れることでカバーできる。
「ワカラナイ」はひとりで悩んでいるより誰かに聞く方が早いというのは、この職場で働くことで改めてわかった。

独力で勉強を進めるより、現場で手を動かすことは何にも勝る。年収が下がるなどのデメリットは、実力を付けてこれから帳消し・回収していけば良い。

そしてみんなそう思うから、Webデザイナーのキャリアの入り口はこうなっているのだろう。(ぼんやり危惧していたような搾取されるようなシステムがあるわけでは決してない)

そんなこんなで、38歳アラフォーは、見習いWebデザイナーという立場で、気楽にコツコツ日々を過ごしているのである。

↓「参考になった!」「まだまだこれからだな…頑張れな」と思われた方は、ぜひポチッとお願いします。

にほんブログ村

タイトルとURLをコピーしました