コミケ新世界:アラフォー非オタクの初めの一歩

会場の東京ビッグサイト たのしむ

コミケに初めて行ってみることに

私にはさまざまなことに知見が深く、その中でもとある専門分野で同人誌を作っている友人がいる。

執筆・編集・販売まで行うのが同人誌と呼ばれるものなので、販売の機会としてあるのがコミックマーケット(コミケ)だ。

何度か他の販売イベントを手伝ったこともあり、今回も売り子として店頭に立つことになった。(実際は、借りてきたパイプ椅子にずっと座っていました。)

コミケといえば、アニメ・漫画・コスプレというワードがすぐに思い浮かぶ。私は今までアニメ・漫画はあまり嗜まないタイプではなかったので、単身ではきっと未来永劫足を踏み入れない聖域だと思っていた。少しでも体験できる機会があることにワクワクして、会う人会う人、お盆休みの話題になった時は、自慢げに「コミケに参加するんです!」と言っていた。

準備について

誘ってくれた友人は実に気が利くので、過去に参加した人の感想が載っている読み物や、自身でも参加初心者向けにブログを書いて、準備や心得を教えてくれた。

「熱中症対策は万全に」「コミケは戦場だと思え」と注意深く言われたので、ワクワク遠足気分が、真夏の合宿に向かうような緊張感に変わる。

ビックサイトという建物は、企業の展示会で何度も行ったことがあるが、空調ゼロの真夏の体育館みたいなところだっけ?と何度も記憶を巡らせたが、あまりピンと来なかった。友人の脅迫めいた忠告に眉唾を振りながらも、最近の日本の夏の暑さといったら甘く見てはいけないレベルだし、自分の体力も衰えている100ベットなので、素直に聞こうと思った。

タオル2枚、着替え、うちわ、塩飴、お茶のペットボトル2本。

前日の夜にペットボトルを久しぶりに凍らせてみたけど、部活に行くみたいでやっぱりなんかワクワクした。

今夏、よく使っている人を見かける「首を冷やしてくれるクーラーリング」を初めて買ってみた。さて会場では、効果があるのだろうか。

当日

ちょっと朝が早かったので、目覚ましを2個かけたつもりが、早い時間に鳴る方のアラームがかけそびれていたらしい。ふと目が覚めて時計を見た時はちょっと焦った。だけど問題はなし。

恵比寿でりんかい線直通の埼京線に乗り換える。大崎でドドドと人が乗り込んできて、一気に電車の雰囲気が変わった。「これが今日の仲間たちなのか」と緊張した。

8時ちょうどに国際展示場駅に到着。思い出す限りの「朝8時のディズニーランド(舞浜)」より混んでいた。熱気に圧倒される。

売り場スペースの設営がひと段落し、トイレに入ったところ、スクール水着の人がメイク直しをしていた。「実在するんだ…」と自分が別の世界線に来たことを実感した。

私がいたのは、技術書のエリアだったので比較的落ち着いていたが、反対側コスプレイヤーさんがいる華やかなエリアでは、往来する人の数や熱気が異なった。

何かいいものはないかな?とぐるっとしてみたが、あまりの人の多さやコミケのお作法のわからなさもあり、物見遊山的に一周することにした。

自分が作ったものを目の前で手にとってくれる人がいること、価値を感じて買ってくれること。それがこの熱量で行われている空間ってすごいなと思った。

私はハンドメイドが好きで自分の持ち物としてはよく作るけど、売るほどのレベルではないし、それを喜んでくれる人がいるとは到底思えない。そんな不安や迷いを難なくクリアして、このコミケで楽しそうにしている人たちはかっこいいなと思った。

友人の本は通りがかりで買われていくこともあったが、予め購入しようと意気込んで来ている人が多い印象だった。売れっ子先生の作品は、無理に売り込まなくても良いんだな。

戦利品

友人は他のエリアまでぐるっと回ってきたついでに、私にも一冊買ってきてくれた。これが「セブンティーンアイス読本」というもので、最高だった。店番をしながら読んでいると、お客さんに気が付くのが遅くなるほど見入ってしまった。ちょっと前に友人とご飯を食べている時に、「駅のホームにあるセブンティーンアイスが気になる」という話題で盛り上がり、最近の私のマインドシェアも占めつつあったのでなおさらだった。設営が終わり、友人と真っ先にセブンティーンアイスの自販機に向かっていたのは言うまでもない。

販売中のフレーバーの説明のほか、いつもならノールックで捨ててしまうパッケージをまじまじと見ることができ、専門書というものの価値を感じた。またいつかこういう本に出会いたい。

セブンティーンアイス読本
自由研究の最上級という感じ。

おわりに

というわけで、全くコミケっぽい場所へは行かずにいたので、ファミレスのにゃんこ配膳ロボや、RRRのビームも見れなかったけれど。

ドキドキの初参加のコミケは、詳しくて気が利く友達のおかげで、普通に楽しかったし、緊張することはなかった。以前に行った西荻にある「旅をテーマにした本屋」くらい、絶対この中に面白いものがありそう!という高揚感があった。
事前の対策のグッズのおかげもあって、暑くてしんどいというなんてこともなかったし、(雨の影響で湿気はすごかった)帰りの交通手段を、東京駅までの臨時バスにしたおかげでスムーズだった。

今後、一般参加はしない気もするが(おい)、私もいつかお気に入りの一冊を見つけられるようになりたいなと思うのであった。

あと、売り子のお礼にと、特大うな重をご馳走になったので、次に何かある時も、真っ先にお手伝いに参る所存。(現金なやつ)

特大鰻重。中にも鰻が敷かれていて、目ん玉が出た。
特大うな重。中にも鰻が敷かれていて、目ん玉が出た。

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