はじめに
2023年2月〜3月のふらっと銭湯旅の記録。ここでは、個人的な感想や途中で起きたエピソード中心のため、施設の詳細はホームページやサウナ好きがいる「サウナイキタイ」あたりで収集していただきたい。今回は、中野と板橋にある銭湯でのお話。
最近のお風呂のお供はこのGORELAX(ごリラックス) タオル。サイズや厚みが、体を洗うのも、腰に巻くのも、体を拭くのにも、ちょうどいい。
何よりも、ゴリラというのがたまらなく良い。
アクア東中野
職業訓練校が夕方前に終わったので、「よし、今日は開拓するぞ」と意気込み、荷物をそそくさしまい、教室を一番に出る。東新宿近くでレンタサイクルをゲットし向かう先は、「アクア東中野」。
その名の通り東中野にある銭湯だ。楽しみにしているのはもちろんサウナだが、全長5mのプールがあるとのことで、そそられている。
ケータイで地図を確認し、進んでは信号待ちで方向をチェック。迷子にもならずに到着だ。
早速、お風呂へ向かう。
浴場は広く、天井が高くのびのびした雰囲気。湯船の種類はたくさんある。おばさまたちが大好きな炭酸泉。温度が低く、ずっと入っていられるので、その狭い空間では井戸端会議が行われている。そして、それより温度が高めなシルキーバス、メインのお風呂、腰やお腹をほぐしてくれるジェットバスなど各種勢揃い。ジェットバスの横に水風呂がある。
洗い場の上には荷物置きがあるのが便利だった。こういうちょっとした工夫はありがたい。入り口すぐの所に、立ちシャワーがあって、リファやミラブルの高級シャワーヘッドがトライできるのが面白い。
サウナの入り口にマットが置いてあり、それを取っていざ入室。奥にテレビが備え付けられているが、ベンチの正面ではなく、左側にある。そのため、みんなじっと左を向いている状態になる。オートロウリュは、一時間に3回発動する。じじじっと温度が上がっていくので、少し気合いを入れて過ごす。
サウナを出て、水風呂に浸かり、外気浴スペースへ。このスペースは、パーソナルスペースが狭目なわたしにはひとりでいっぱいに感じる。けれど、この日は時間が早いこともあり、他の人に気を遣わずのんびりできた。
3月に裸で空を見上げるとはなんとも心地よいこと。ふふふんと少し得意げな気分になる。
外のスペースはさほど広くないが、サウナを出たすぐの洗い場が休憩専用スペースとして確保されているので、混んでいればそちらを利用することもできる。
さてさて楽しみにしていたプールだが、この日は清掃が行き届いていないのか、浮遊物が多かった。薄目で入れば、それはプールの良さを享受できただろうが、一度気になってしまうとそれ以上浸かっていることができず、すぐに上がってしまった。
サウナで氷を食べている人を初めて見た。わたしのサウナ歴が浅いからだろうか、それとも中野スタイルなのか。この氷舐め人とこの日のプールのコンディションに少し面食らってしまった。もっとどしんと構えて我が風呂スタイルを貫きたい。
あぁだこうだ言うたものの、2時間半以上、風呂と外とサウナを行き来し、満喫した。
ちなみに、東中野も近いが、地下鉄東西線の落合からも歩ける。小雨降る中電車で帰った。
前野原温泉 さやの湯処
「前野原温泉さやの湯処」は板橋区にある温泉施設だ。お食事処も広々あって、友人と休日のんびり過ごすのにも適しているだろう。最寄りは都営三田線の「志村坂上駅」で、平たく行ってしまうとちょっと辺鄙な場所。
わたしは運動がてら、自転車で向かう。だが、この日は気温も低いにも関わらず、手袋とマフラーを忘れてしまい、道中はまるで修行状態で、目に涙を浮かべながら、何度引き返そうと不埒の心が見え隠れした。高速の下の大きな坂道をブレーキなしで突っ走っているところで、ヒュッと被っていたキャップがあおられどこかに飛んでいってしまった。
車線も多く、車もビュンビュン飛ばしているので、諦めつつも、自転車から降りた。望みというより、他人に迷惑をかけるような場所に落ちていなければそのまま見過ごそう思った。キャップを探そうと振り返ると、高校生の二人が車道を歩いている。「歩道も広いのになぜ?」と思っていると、なんとわたしのキャップを拾い、追いかけてくれていたのだ。あまりの驚きで丁寧なお礼ができなかった気がするが、気さくな感じで2人は去っていった。なんとできた子たちだ。君たちの将来に幸あれ!と謎のエールを贈り、そして若い子に優しくしてもらったことで、心があたたまった。
よし、この胸の温もりを携えて、温泉を目指そう!再起してペダルを漕いだ。
ようやっと到着する。平日昼なのに、駐車場や駐輪場はそこそこ埋まっている。このエリアの癒しスポットなのだろう。
露天風呂、内湯ともに種類が充実している。
内湯は、こちらもおばさまに大人気の炭酸泉。よくもまぁそんなぎゅうぎゅうと…と思ってしまうのでわたしは何度かパスした。立ち湯・寝湯・座り湯・ 腰掛湯・水風呂・掛け湯などあったが、この座り湯は初めてだった。背もたれになっているところの上からお湯がしみしみと流れており、寒すぎて外気浴に耐えられない際のととのいスポットとなった。
外には、温泉、濃いめの源泉、寝湯。そしてつぼ湯とその奥にミストサウナ。ミストサウナの入り口には塩があり、サウナの中ですり込むと肌がすべすべになる。
温泉ももちろんのこと、一人分の大きさのつぼ湯にすっぽり浸かり空をぽーっと見上げるのがお気に入りだった。
日本庭園のような作りになっており、イスもあるのでサウナのあとの外気浴は気持ちが良かった。ただ、最高気温は10℃でとてつもない寒風だったので、長い時間はいられず、ちょっと残念だった。
サウナを3セットし、一旦休憩をしようとお食事処へ。お庭が眺められる、窓側の席に陣取る。本当はビールも飲みたかったが、もう一度お風呂にも戻りたかったため、ぐっとガマン。めかぶやとろろがのったねばねば蕎麦と青菜の小鉢を注文し呼び出しベルが渡される。これが鳴るまで外を眺めて空腹を凌ぐ。メニュー数は豊富だったので、メニュー表ぎゅうぎゅうにメニューが書いてあったり、そのレイアウトも独特。地元の定食屋のような手作り感満載のメニューを見ながらなぜかほっこりした。座布団の下にはホットカーペットがしいてあったので、食後は少しぬくぬくぼーっとし、また風呂へ戻った。
様々なお風呂があって、エンターテイメント性が高いが、全体的に落ち着いた雰囲気と客層だった。もうちょっとアクセスが良ければ気軽にいけるんだけどな。