歯列矯正は、迷っていないですぐに始めよ。

みがく

(追記 2023/02/22)

ひとの目ではなく、ただわたしがイヤだった

わたしの大きな前歯は前に出ている。
それだけではなく中学生の時に、吹奏楽部で酷使したためか、斜めになびいている。
わたしが多く持ち合わせるコンプレックスのひとつだ。

自分の笑顔がイヤ。
お気に入りのリップが、つくのもイヤ。
青のりが付きやすいのもイヤ。

ちょっとしたことでも、存在感をちらつかせる歯。しかも、体型カバーをするための洋服を選ぶようなごまかしはできない。

矯正するチャンスはあった

実は小学3〜4年の時の歯科検診で、歯医者の受診を勧められた。虫歯でなく、歯並びでの受診だ。

同じタイミングで母娘ともに仲が良かった友人が矯正を検討しており、その流れで母から「矯正してみる?」と聞かれた。
わたしは首を振った。でも本当はしたかった。子供ながらに100万円という大金を親に出させるのが申し訳ない気がしたことを記憶しているが、そんな遠慮をしないで、素直にやっておけば良かったのに。

ちなみに、40年前と比べて現代人は、顎の奥行きが実は大きくなっているらしいが、しかし同じように歯のサイズも顎の奥行き以上に大きくなっており、それによって歯並びが悪い人が増えているとか。また食事で柔らかいものを食べ、歯に負荷がかかる機会が少ないので、歯が大きいまま、という説もあるそう。現代への移り変わりの過程で起きているし、歯科矯正は完全にマーケットを読んでるんだなと思ったり。完全に余談。

歯にコンプレックスがあったので、せめて清潔さはキープしようと意識が強く、そのおかげで30歳を過ぎるまで虫歯とは無縁だった。これは、マリリン・モンローと同じ誕生日であるということと並んで、数少ないわたしの自慢話の一つである。

しかし30歳のスイス旅行中に、ホテルの洗面台に備え付けられていた拡大鏡をのぞいた際に奥歯に黒いモヤがあることに気が付き、プラウドオブ虫歯0に終止符が打たれた。
旅行中に予約しておいた歯医者でさっさと治療を終えたのだが、「こんな歯がガッタガタだと、虫歯のリスクは高いよ」と言われ、初対面の患者に対する言い方ってもんがあるだろうよぉと心で悪態をつきつつ、人生2度目の歯列矯正を検討するタイミングが来る。

当時のパートナーに、「自分の貯金で、矯正をしたい」と相談をしたところ、病気でもないのに大金を使うなんてもったいないと一蹴された。自分の責任とお金で、今後の健康に対する投資をするのになぜ?と悲しくなりつつも、当時のわたしは諦めた。

ただ、よくよく考えると、前歯が差し歯で、大して歯磨きもマメにしていないようなタイプの人間に相談したわたしがバカだった。過去の「恋の盲目現象」に舌打ちしながら、このタイミングで始めていたら良かったのにと今も後悔している。

思いは消えずに、4年が経過

コロナが流行し、10万円の一律給付の使い道について話をしていた時。同僚が、歯列矯正をはじめる、と言った。年齢も近く、同じチームで、勝手に親近感をもっていたわたしは、彼女に対して「いいな!わたしも連いていきたい!」という感情が芽生えた。好きなのかよ。
マスク着用や、外食も控えなければ行けない情勢に加え、幸いにもフルリモート勤務の職場だったので、付け外しがあるマウスピース矯正は正に今が旬。そんな話を聞き、これまで成就しなかった思いを今こそ叶えられる!と胸が高鳴った。
歯科医院は、いくつか自分の目で確かめにいったほうがいいとのことで、わたしは早速家からアクセスのよい3つの歯科医院を予約する。

どこに通う?歯科クリックを吟味する

歯列矯正は、大きくワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つある。YouTubeで色々と情報収集し、その中で、わたしは「どちらかの治療を選んでおこなうもの」と思っていたが、実際に説明を聞きに行って見ると、矯正の段階や希望によって両方おこなえる医院もあった。

3箇所の見学でわかったことは、ぶっちゃけ値段はそんなに変わらないということ。ただし、ポリシーや治療する先生が専任か複数人いるとか、検査マシンの精密度など、各院特色が全く異なるので、自分と合うか、共感できるかが判断ポイントだと思った。

三者三様とはこのこと、3つのクリニックではこんな提案をもらった。
・前歯だけを矯正し、価格を安くおさえる提案
・今後の虫歯リスクなども考え、お金はかかっても全体を矯正する提案
・ワイヤーとマウスピース両方を、状況に合わせた治療の提案

この提案を受け、わたしは自分の歯並びのレントゲンを見て、どんな問題があり、何を実現したいのか?を自分なりに整理し、

前歯だけではなく、実は奥歯の歯並びも悪く、歯磨きが難しい上に、食べカスがつまり易い状態。これから加齢に伴って歯周病リスクも上がるので、これを機に「見えない部分」も治療し、未来の健康に投資をしよう!
という答えを出し、マウスピース矯正(インビザライン)に決めた。

全然始まらないマウスピース治療

「この歯医者に決めた!」と固い握手と契約を交わし、さてマウスピーススタート☆と思っていたら、まったく想定通りにはいかなかった。
今の顎のサイズに収まらない歯たちがきれいに収まるには、当然「スペース」が必要である。
そしてその方法は抜歯となる。
わたしは別の歯医者で処置が必要だったので、電話予約をし、紹介状を持って向かった。よく考えれば当たり前だが、2本の抜歯は1日では終わらない。
初日はレントゲン撮影。別の日に抜歯。そして一週間後に抜糸をし、次の抜歯の予約をする。また抜歯をして、一週間後に….と続く。結局2本の抜歯をしている間に1ヶ月が経過。
固い握手から、マウスピースを受け取るまで、なんだかんだ3ヶ月の道のりだった。

待ち受ける苦難

矯正の苦難と言えば「痛い」だろう。わたしも慣れるまでこそ、そういった違和感はあったが、もっと大変だったのは「衛生」だった。ここからはそれらを乗り越える知恵やアイテムを紹介していく。

抜歯した穴に埋まるゴミ対策

下の親知らずを抜くと、抜いた大きさの穴が生まれる。そしてそこに毎食の食べかすが蓄積していくのだ。これの何がツライかって、掃除ができないこと。歯茎を切開して歯を抜き、縫いあげているので、歯ブラシで「ゴシゴシ」することは禁物。そして食べかすは、うがいだけじゃなかなか取れない。
3日経ってくると発酵がはじまっているのか、悪臭と粘つきを感じようになり、ついには自分のドブのような口臭で目が覚めて、悪夢のような日々だった。
ネットで検索すると、口臭は食べかすや治癒過程の傷が原因で一過性のものと出てくる。が、過ぎるのを待つまでに発狂して人間でいられなくなりそうだったので、諦めずにページを繰るうちに、このアイテムを探し当てた。

それがこちらの「バンコ ぞうさん」

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もともとは、プラモデルなどを作る際に使う道具。水を入れて穴の空いた箇所をめがけて、ピューとするとあっというまに食べかすが取れ、悪臭が一気に消えた。
大げさではないが、涙が出た。500円ちょっと安いのだが、その時のわたしにとってはその価値は10倍以上だった。
親知らずを抜く時は、必携すべき。

歯間あきあき問題への対策

矯正により歯が動いてくると、歯に隙間ができる。
歯が動いてくるにつれて、隙間ができる箇所が変化する。箇所によってまた、挟まる食べ物の種類も変わる。
変化を感じることは、矯正が進んでいる嬉しい証拠ではあるが、食べ物がつまっていることが気になり、100%食事に集中できないこともある。
「えのき」はそもそも除外食材であるが、肉を食べずに、納豆や豆腐を食べている期間や、しめじを食べない期間、キャベツや小松菜などの葉物を避け、トマトばかり摂る期間もあった。
このような食材を避けても、どうしたって食材は詰まるので、毎食後の歯磨きとフロスは外せない。
外食の際もひと通り食事が済むと、お化粧室に立ち、歯の掃除をおこなった。そうしないと、ただただ気持ち悪かった。気がつくとゴリラ顔しながら、ずっと舌で歯を磨くことになるので、デート中は潔くお化粧室に行ったほうが得策である。

外出中は手軽に掃除ができるものが良く、特に歯間が広くなっている時は、これがおすすめだった。
商品によっては、携帯用のプラケースが付いていて便利だった。

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家では普通のフロスと,Y字の糸ようじを常備した。Y字の糸ようじはいくつか試したが、このクリニカのものが、フロスの太さがよくカスを絡め取り、丈夫でお気に入りだった。
(小林製薬のY字はわたし的にはあんまりだった)

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磨く環境や時間がないような時は、歯磨きシートデンタルリンスを携帯した。

買わなくて良かったかもと思うのは、3,000円台のウォーターフロスだ。安物が良くなかったのか、使いこなせずにすぐ使わなくなってしまった。性能が良いものであれば、結果は違ったかもしれないが、高価だっただけに購入を足踏みしてしまった。

汚れ、着色問題の対策

1マウスピースを5日〜1週間つけるので、最後のほうはそれなりに歯石っぽいものやコーヒーなどステイン系が着色する。
日々のメンテナンスは、朝イチの歯磨きの際にハンドソープで洗ったり、歯磨き粉が付いていない歯ブラシでのブラッシングだ。

わたしはコーヒーが好きだが、我慢がストレスになるくらいならと、マウスピースのために控えることはしていない。そのため、マウスピース洗浄剤は必須アイテムである。
一度、ドラッグストアのプライベートブランドのものを利用していたが、こちらに切り替えると、洗浄後のマウスピースの輝きが段違いだった。小林製薬さんを全力で推したい。(逆を言えばPB商品はパチもんという印象がついてしまった)

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歯自体も着色していく気がしたので、ホワイトニング効果のある歯磨き粉をいくつか使っている。

開始して約2年。継続中

歯列矯正をやろうと歯科医院を探しだしたのが2021年4月。この歯列矯正プロジェクトはまもなく丸2年を迎えようとしている。
終わるまでにはかなり長い期間を要するので、やりたい!と思い立った時に動くのが絶対に良い。そして代謝が良い若い人のほうが、歯も動きやすく、もし抜歯が必要な際にも、歯が骨に癒着して大変になるといったリスクも少ないそうだ。何より今日が一番若い。

見た目を気にするところから始まったわたしの矯正だが、丈夫で虫歯リスクのない環境を整えることに目を向けられたし、定期的に歯医者でのクリーニングや自分でも日々お手入れをする習慣を手に入れられたことは良かった。
あとマウスピース10枚ちょっとで、一旦治療が終わる。20年分の思いが成就できる日をとても楽しみにしている。

(追記 2024/02/13)

2023年10月ごろから保定期間に入った。そしてようやく2024年1月中旬から、日中のマウスピース着用から卒後業した。今は寝る間だけつければOKとなり、快適な日々を取り戻している。とはいえ、着用はほぼ習慣となっており、逆についていないとそわそわすることもあるくらい、すっかり自分の生活の一部となっている。歯磨きのしやすさは格段にあがり、コーヒーステインなどがほとんどつかなくなったと感じている。

費用について

(追記 2023/02/22)

費用は、マウスピースだけで85万円(税抜)だった。
これに、オルソパルスという治療期間を短くできるという機械を約15万円で購入。(なくても全然良いと思うが、7日間→5日間に短縮できるだけでも、気持ちの負担や衛生面が保たれるメリットを感じる)
これ以外にも、親知らず治療の抜歯や通院時の歯のクリーニング費用が3,000円(税抜)かかる。医療費控除が対象になれば、大体15〜20万円ほど返還されるだろうが、それでも100万円の大型出費となる。
ただそれ以上に、ホワイトニング効果がある歯磨きを選んだりと、歯に興味が湧き、結果普段のケアにも時間をかけるという良い習慣を手に入れた。
そして、将来の歯の健康も手に入れられている気もする。

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