おんなの不調を乗りこなす〜月経や低用量ピルについて

おんなの悩み

そもそも

「PMS」「生理痛」「低用量ピル」…ずっと前からあった言葉だと思うが、ここ数年でかなり一般化してきている気がする。
カップル同士や友人間で話をすることも多くなったのではないだろうか。

わたしの自覚としては、生理についてはさほど問題意識がなかった。
第一にそんなに重くないこと。眠くなったり、おなかと腰まわりがズンと重だるい感じはあるが、痛すぎて動けない日はあっても一年に一回あるかないか。2日目に鎮痛剤を飲めば、難なくやり過ごせる程度である。

第二に、血量も多くなく、期間も短い。というのも、過去に「月経血コントロール」の講習を受けたことがあり、ある程度トイレで血を出す事ができた。そのため、日中にナプキンから血があふれる心配も少ないし、夜用ナプキンは不要。月経期間も大体3泊4日でほぼ終わる。
ナプキンは、高分子吸収材(ポリマー)といった化学繊維が使用されていないナチュラルなもの(その名も「ナチュラムーン」)を利用しているので、少し価格は高いが、冷えたりかぶれたりもない。

これは余談であるが、パートナーに生理のつらさや大変さを、その時々我慢せずに伝えられることもあるかもしれない。今までは、同性の友達との会話にしできないほど恥ずかしいことだと思っていたけれど、体に関することはパートナーシップやコミュニケーションに関わることだなと最近思うようになった。悩みやつらさを共有できると、変に元気を装ったりすることもなく、心の負担も軽くなる。相手がきちんと受け止めてくれるかどうかで、その人の度量も垣間見える気がする。

こんなこともあり、他人の生理事情と比較してマシだろうと思っていた。

どうにかしたいのは、PMSのほう

月経期間中は、睡眠不足になるなどツライこともあるが、なんとかやり過ごせる。しかし、同じくらい煩わしいのが、「生理前」だ。
情緒不安定、イライラ、食欲増進、肌荒れ、むくみなど、ありとあらゆる不調が、土足でドカドカ踏み込んでくる。

しかし、PMSの存在をしっかり意識したのは、ここ数年かもしれない。20代はノリと勢いで駆け抜けていたので、自分の体調や体の変化に気がつくことがなかった。腑抜けた野郎だ。

実際にPMSの対策を取り始めたのは、ここ2〜3年の話。生理前に尋常じゃないほど気分が落ち込んだとき、「命の母 ホワイト」という薬があることを友人から聞いたのがきっかけだった。
それ以降、情緒不安定や頭痛などの不調は、「命の母ホワイト」をその名前の通り命綱にして生きていた。
それでも回避できなかった悩みは肌荒れだ。それまでなんともなかったのだが、34歳ごろから、生理前には肌が敏感になり、アゴ周りの皮膚が剥けるほど乾燥し、いつもの化粧水がヒリヒリと滲みて、赤くなっていた。

よく考えてほしい。(誰によく考えてほしいか、よくわからないけれど)
来る日も来る日も、我が子のように大事に肌の手入れをしているのに、1ヶ月に一度は自分の体に潜むホルモンのせいで、めちゃくちゃになるのだ。いや、それだけではない。
1ヶ月のうち、1週間はPMSでメンタル不調になり、もう1週間は体から血が出て、深い睡眠も取れずに体がボロボロになる。

確認する。1ヶ月は4週間だ。わかるだろうか?
生理のせいで、月の半分が不調なんだ。
これは、もう生理がない人類に全力で労われるべきではないだろうか?(それなのに、人間の歴史は女性の特有の機能について軽視しぎている!)とさえ、思う。
少々鼻息が荒くなってしまった。

時を戻そう。
いや、話を戻そう。
そんなことをぼんやりと、ずーっと思っていた。

友人から耳にすることが増えたので

昨年に入ってから、オンライン診察でピルが処方されるサービスのプロモーションが急激に増えたせいか。
それとも、妊娠への意識が変わる30代後半に差し掛かってきたせいなのか。「ピルを始めた」という話がまわりで出だした。マイルールとしては、別のコミュニティの友人が、2人以上がおすすめしていたら、それは「GO」というものがある。そこでピルの件も迷いなく、GOすることにした。

ただ、自分に合わず副作用でしんどいのも避けたいし、自由診療か保険適用かでコストも変わってくるので、病院に行く前に少しだけ調べることにした。

アフターピルと呼ばれる緊急避妊用のピルと、PMSや生理のお悩みを軽減するピルがあることは多くの人が知っているはず。
後者には、低用量ピルと超低用量ピルがあり、ざっくり言うと開発された順に4つの世代に分かれ、それぞれに効果や副作用などが異なることがわかった。

わたしは、保険適用になり、超低用量化されているため副作用がおきにくいと紹介されていた第四世代のピルが気になった。

レディースクリニックに行ってみる

保険の適用をしたいので、早速レディースクリニックの予約をした。所要時間は1時間くらいだろうか。平日の午前でも20代〜50代くらいまで幅広い年齢層の女性がいた。受付の方は愛想よく、待合室は落ち着いた雰囲気でちょっと安心した。(以前、仕事で出入りしたことがある繁華街のクリニックは、事情あり…みたいな方もいて、空気感が異なった)

事前に調べた中で、「低用量ピル」が保険適用になるには条件があるということだった。ただ具体的な基準やNGの内容は見つけることができなかったので、わたしは条件外に抵触しないように恐る恐る「生理前のだるさ、頭痛、ストレス、肌荒れ」といっや症状に悩んでいると話した。
そうすると、医者はそういうことでしたら…と顔色ひとつ変えずに、わたしが事前調べによって希望していた第四世代の「ヤーズ」と「ヤーズフレックス」をおすすめしてくれた。
前日にやまかんで勉強したページがテストにそのまま出たような喜びを、ついつい感じ心の中で勢いよくガッツポーズをした。

「ヤーズ」と「ヤーズフレックス」は成分としては同じで、「ヤーズフレックス」の方が慣れれば、最大4ヶ月生理をお休みすることができるという。

1年で12回も悩まされる生理が、たった3回、つまり年間のうち3週間で済むということなのだ。わたしは迷いなく、その薬を希望した。

その日は、1ヶ月分を持ち帰った。すべて飲み終わったら、また通院する。ただし2回目は医者ではなく、看護師が対応するとのことだったので、これ以降は待ち時間も短くなる。

1シート、飲み切る

いつから飲み始めるか?というと、生理が来た初日だ。よって、飲みはじめの生理はピルの恩恵に預かることなく、いつもどおりツライ。でもこれで生理痛のつらさから今後は解放されると考えると、ガマンできる気がした。

ピルを服用する中での一番の面倒ごとは、「飲み忘れ」だろう。毎日決まった時間に飲む必要がある。不意なオールや、旅先に携行するのを忘れたりは禁物。とはいえ、いつも飲む時間から24時間以内であれば追いピルすれば問題なしとのことだった。
わたしも一度飲むのを忘れてしまったのだが、12時間以内に服用し、不正出血することはなかった。
それ以降は、iPhoneのリマインダー機能を22時にかけているので、一度も忘れていない。

28錠飲みきった後、薬を4日間お休みする。その前に、2回目の通院し、次の3ヶ月分を処方してもらった。

低用量ピルを飲んで初めての生理

薬を休んだのが、日曜日。火曜日の夜になっても生理が来なかった。「もしかして…」と少し焦ったが、翌日の水曜日には生理始まりの茶系の血が出た。おりものシートでもなんとか受けきれるくらいの量だった。
腹部や腰部の不快な鈍痛はなく、日中は軽やかに過ごせた。

PMSについてどうだったかというと、いつも程ではないが、肌の乾燥が生じ、化粧水がヒリヒリした。ただしそこまで炎症で赤くなる感じはしなかった。そして気分の落ち込みはさほどなかった。
しかし、食欲はあった。これは誠に期待はずれで、遺憾だった。食べても食べても、まだ食べられるという豚野郎魂はおさまっていなかった。何度も言うが残念だ。

調べてみると、投薬してからホルモンバランスが落ち着いてくるまでには、3ヶ月程度かかるとのこと。初月だけでもすでに変化を感じているので、今後はもっと期待できそうだ。
出血量もだいたい把握できたので、次月は「吸水ショーツ」にもトライしてみたいと思った。

なお、費用は初回は、初診料と超音波検査、そしてピル1ヶ月分で5,000円。2回目は、再診料と3ヶ月分のピルで7,620円だった。安いものではないけれど、ナプキン代や痛み止め代が浮くこと、そして2週間続く様々な不調が軽減されることを考えれば、十分ペイされる。
ちなみに、この第四世代のヤーズは、オンライン診療だと自由診療になり、値段が10,000〜12,000円になる。安く手に入れたいのなら、病院で処方をしてもらわなければならない。ただ通院の時間がない方はオンラインでも良いと思う。そこは個人の考えによるだろう。

ピルは良い反面、持病や飲んでいる薬によっては気をつける必要もある。そのため安易なオススメは控えるが、生理痛にまつわる苦悩から解放されたいと思う女子たちに向けて、改善策を検討する上での参考情報のひとつとなればとこれ幸いと思う。

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ




タイトルとURLをコピーしました